
風邪を引いた後、「もう治ったしそろそろ筋トレ再開しようかな?」と思っても、タイミングを間違えると体調をぶり返したり、トレーニング効果を落としたりすることがあります。
この記事では、風邪からの安全な復帰タイミングと段階的な再開法を解説します。
1. 結論:焦らず「発熱なし24時間+症状改善」が基本ライン
「解熱剤なしで24時間以上発熱がなく、全体的に症状が改善している」
ことが日常復帰の目安とされています。
筋トレ再開も同じ基準を採用するのが安全です。
体温が下がっても、だるさや咳が残るうちは身体が完全に回復していない証拠です。
2. 「ネックチェック」で判断する簡単な目安
風邪をひいた時に筋トレしてもよいかの判断方法が、「ネックチェック」という方法です。
| 症状の部位 | 運動の可否 | 具体例 |
|---|---|---|
| 首より上 | 軽い運動ならOK | 鼻水・軽い喉の痛み・頭が少し重い |
| 首より下 | 運動NG | 咳が深い・胸が苦しい・下痢・全身の倦怠感 |
つまり、喉や鼻だけなら軽めの運動は可、
胸や胃腸に症状があるときは完全休養が基本です。
3. 「熱が下がった=治った」ではない理由
発熱が収まっても、体内では免疫反応や炎症がまだ続いている場合があります。
早く再開しすぎると、
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回復の遅延
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再発熱・体調悪化
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パフォーマンス低下
につながるリスクがあります。
健康情報誌でも、
「風邪後は『Go Low, Go Slow』(低強度でゆっくり)を合言葉に」
と注意喚起されています。
4. 段階的に戻す「3ステップ復帰プラン」
| 段階 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| ステップ1 | 低強度の有酸素運動(ウォーキングやバイクなど) | 20〜30分、RPE(主観的きつさ)3/10程度 |
| ステップ2 | 軽めの筋トレ(フォーム練習・マシン・自重) | 通常重量の50〜60%、セット数少なめ |
| ステップ3 | 通常メニューへ段階的に復帰 | 70〜80%の負荷から1週間ほどかけて戻す |
再開後に咳・息切れ・疲労感の増加があれば、1段階戻して調整しましょう。
5. 注意すべき「NGサイン」
次の症状がある場合は、筋トレ再開を延期すべきです。
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発熱・悪寒・強い倦怠感
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胸痛・動悸・息切れ
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下痢・嘔吐などの胃腸症状
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運動中にめまいや息苦しさ
特に胸痛・動悸・失神などがある場合は、心筋炎の可能性も否定できません。
国際的な専門機関の指針によれば、心筋炎後の運動復帰を最低3〜6か月制限としています。
6. 再開をスムーズにする“体調管理のポイント”
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睡眠: 7〜9時間を確保
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水分補給: 発熱や発汗で失われた分を補う
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栄養: 消化に良い炭水化物+たんぱく質(おかゆ+卵など)
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免疫回復: ビタミンC・D、亜鉛などを食事から摂取
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体調モニタリング: 朝の安静時心拍が普段より+10拍以上なら無理をしない
7. インフルエンザやコロナの後はさらに慎重に
インフルエンザや新型コロナの後は、
発熱後24時間+全体的改善を確認した上で、少なくとも2〜3日間は低強度運動に留めましょう。
胸部症状(咳・息切れ)が残る場合は、医師の許可を得るまで無理に再開しない方が安全です。
最近の報告でも、COVID-19後の早期復帰で再燃や過労症候群を起こす例が確認されています。
8. まとめ|“治った”ではなく“戻れる体”を作ってから
風邪からの筋トレ復帰は、「体調が治った」だけでなく「運動に耐えられる体」に戻すステップが大切です。
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解熱後24時間+症状改善が基本ライン
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首より上だけなら軽い運動OK
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低強度から段階的に復帰
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疲労や胸部症状が出たら中止
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栄養・睡眠・水分で回復を支える
焦らず1週間ほどかけて戻せば、トレーニングの質も再び安定します。
筋トレは“続けること”が最強の武器。風邪の後は、体の声をよく聞きながら復帰しましょう。
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